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blog:2024:04:0601

無垢なる人造生命体の話

「フランケンシュタイン アダム・ザ・モンスター」は、とある人造生命体の始まりと終わりに焦点を当てた物語だ。

美しい姿に創造された存在が、生まれつきのエラーや周囲の暴力によって、性別すらも分からないほどに崩壊していく様が見ていて痛々しい。そのため、本作からは怖さよりも悲壮感を強く感じた。
また、随所に挟まれる主人公のナレーションの中で、特に以下の言葉が強く印象に残った。

「落ちた天使は悪魔になる。だが神に刃向かう悪魔でさえ仲間はいる。僕は1人だ。僕は復讐を果たす。愛を得られないなら、恐怖に陥れてやる」

外見が醜くなった主人公は周囲から怪物扱いされていたが、僕から見た彼は、残酷で身勝手な人間たちよりもずっと美しかった。
そして、黒人の盲人浮浪者やアジア人の娼婦など、一般的に社会的底辺として認知されている彼らが主人公に一定の理解を示したことは幸いだった。

僕はグロ描写は平気だが、たった一つのエラーによって、純粋無垢な子供が「ママ」の愛を受けられなくなったのは非常に切なく感じた。人間の親子関係にもこういうケースあるよね。
あの研究者たちは、創造の先にどのような未来を描いていたのだろう?

blog/2024/04/0601.txt · 最終更新: 2025/04/09 by X?-R

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