3日前のいつもより少し早めの時間帯に、住所不定猫のイサムがやって来た。
それでイサムの体を明るいところで見たら、どうやら彼はシャム系との掛け合わせだということが分かった。
シャムは僕の大好きな猫種だ。
もし彼が帰る家のない野良であれば、是非我が家に迎え入れてやりたいと思った。

そして昨日。
食欲旺盛なイサムはその日も残り物を食べ終えると、敷石の上に横になりリラックスしていた。その時にイサムが自らの股間をグルーミングしているのを見て、そこで僕はイサムがオスだということをしっかりと認識した。

今日もイサムのダークブラウンのタマタマを確認した僕は、イサムを我が家の中へ迎え入れるのを見送ることにした。
ここはタマナシの館。去勢済みならともかく、同居人が男嫌いであるため、たとえ動物といえどタマアリは暮らすことはできないルールなんだ。
それにもしイサムがどこかのお宅の飼い猫だった場合、こちらが勝手に去勢したら飼い主は驚くだろう。あったはずのモノがある日突然なくなって戻って来るのだから。

イサムとのささやかな付き合いは今後も続けたい。
Cちゃんもイサムと仲が良さそうだし、そんな彼らを見ていると幸せな気分になれるんだ。