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blog:2024:09:1101

新しい財テクに向けて

富を得るチャンスは年々増えている。
記憶に新しいのが、2024年1月1日から始まった新NISA制度だ。
これは簡単に言うと、定められた金額の範囲内であれば、非課税で投資による利益を得ることができるというものだ。
僕は新NISA口座は持っていないが、こうしたシステムによってお金の流れを活発にするのは良いことだと思った。

そうは言っても、投資と聞いても多くの日本人はピンとこないだろう。
それは、投資は難しいものという思い込みや、投資に関連した詐欺の横行による投資に対する不信感、あるいは、汗水垂らして働くことが最大の美徳など、こうした考えを持っている人がまだまだ多いからだ。
日本人は良くも悪くも用心深く保守的で、だからこそ外界の色に染まらずにそれらを上手く取り入れながら、独自の文化を発展させてきた。

10年以上投資を生業にしてきた僕個人の意見を言わせてもらうと、投資はギャンブルではない。
少なくとも、信頼性の高いマーケットにおいて、確かな情報に基づいた根拠をもとに資金を動かすのであれば、それは立派な資産管理であり仕事だ。
金融商品に馴染みの薄い多くの人たちは投資と投機を混同しがちだが、この両者には明確な違いがある。
資金の動かし方やそれを行う人たちの性格の傾向など、比較をすれば多くの違いがあることが分かる。勿論これらを両方行っている人たちもいる。しかし一般的な傾向として、投機は投資の下に見られることが多い。
僕は投資も投機も資産を増やす手段という意味においては本質的に同じものであり、このどちらにも多少のリスクはつきものだと考えているので、投資が良くて投機が悪いなどという考え方はしない。

だから暗号資産のことを知った時も、僕は特別悪い考えを抱くことはなかった。
ただ、暗号資産というのは(特に日本においては)株式とは異なり、一般的な認知度が低く、なんだか詐欺がからんだギャンブルのようなものという扱いをされることが多い。
実際に日本では暗号資産を利用する場面は非常に少ないため、馴染みが薄いのは仕方ない。
近年では、エルサルバドルではビットコインが法定通貨となり、ブラジルでは仮想通貨による決済が政府によって正式に認められた。
そして最近では、日本でも某家電量販店や某フリマサイトで仮想通貨を利用できるケースが増えてきているので、少しずつではあるが認知度は高まってきているのだろう。

それでも暗号資産がイレギュラー扱いされる理由……それは、税制の複雑さにあると思っている。
日本における現行の暗号資産による取引は、株式取引とは異なり累進課税だ。つまり、稼げば稼ぐほどより多くの税金(最大55%)を徴収される。また、これの相続税も場合によっては100%以上と、とんでもない計算になることがある。
さらに、暗号資産に関わる確定申告は、これも現行の仕組みでは株式における特定口座のようなものはなく、自分でしなくてはならない。たとえ沢山の利益を得たとしても、うっかり申告や納税を怠れば、なかなか悲惨な現実が待っている。

僕はこれらの事実を知った時、国はなんて勿体ないことをしてるんだと思った。
ここで多くの人がつまづき、暗号資産への投資を躊躇していることは想像に難くない。
今後キャッシュレス化が益々進む中で、こうしたところで日本が後れをとっているのは非常に惜しい。

そう思っていたつい最近、以下の記事を見つけた。

CoinDesk JAPAN: 暗号資産所得の分離課税は今年、税制改正要望が認められるのか
日本ブロックチェーン協会: 暗号資産に関する税制改正要望(2025年度)を政府に提出しました。

ざっくり言うと、暗号資産の税制を株式と同程度にして欲しいという市場関係者の要望が、そう遠くないうちに実現するかもしれないということだ。
このニュースを見つけた時の興奮は大きかった。すでに暗号資産市場に参入されていて、まっとうに稼いでいる先輩の方々も同じ気持ちに違いない。
だから僕は未来へ向けて、ささやかな準備をすることにした。

ビットコインが初めて登場した時、ほとんどの人々はこの得体の知れない通貨がこれほどまでに成長するとは思わなかった。
僕のかつての知人は相当なPCオタクで、プログラミングも上手な人だった。その知人が自前のPCでビットコインをマイニングしていて、「あとどれだけ掘れば、これぐらいのコインが得られる」などと発言していたのを見た僕は、「この人は何をしているのだろう?」と、彼の行動に興味を持ったものの、それ以上の関心を示すことはなかった。
もしあの知人が、あの時掘り出したビットコインをまだ持っていたとしたら、今頃計り知れない富を得ているだろう。
ほとんどの人はだいぶ後になってビットコインの価値に気付いたから、あの知人は人一倍、先見の明があったのだ。

全ての投資と投機にはリスクがあり、それを理解し波を掴むには、一般的な労働者とは異なるベクトルのテンションを克服する必要がある。
市場のルールとリスクを理解し、情報ネットワークを活用し、最終的にそのフィールドに自分が立つことができるかを真剣に吟味したうえで実行に移す。その積み重ねが次の行動をより良いものにしていく。このノウハウは人によって異なるので、誰かに教えられるものではない。

とにかく言いたいのは、仮想通貨を含む暗号資産がより一般的になる日はそう遠くはなさそうということ。
そしていつか、金属のコインや紙のお札が珍しがられる時が来るかもしれないね。

blog/2024/09/1101.txt · 最終更新: 2024/09/12 by X?-R

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