ユーザ用ツール

サイト用ツール


blog:2025:07:2001

消化不良で心が辛い

今回のお話は公開しようか少し考えたけど、これが今の自分の正直な気持ちだし、これをここに書くことによって自身の気持ちを整理できるだろうと思ったから、読む方にとっては少しお見苦しいだろうがここにアップしておく。
長文で読み辛いかもしれないのでざっくりと要約すると、「染色体検査を受けるためのハードルをもっと下げてほしい」という内容になっている。

ちょっとこれから自分の気持ちをどうしていこうか、ここ数日間悩んでいたんだよね。
というのも、数日前に遺伝カウンセリングを受けた時に、本当は僕はそこで染色体検査を受けたかったんだよ。それはいわゆるGバンド法(G分染法)というもので、染色体が入った細胞を顕微鏡で確認できるように培養して、その数や形を分かりやすいように並べた結果を患者さんに知らせるというものなんだ。

そうした知識を含めて、僕はこの数か月間、遺伝学についてかなり勉強してきたつもりだ。
自身の状態に関連していそうな症例について述べられている海外の論文を沢山読んだし、データの見方についてもそれなりに学習した。
でも僕はでしゃばるのは好きではないから、遺伝カウンセリングを受けた時も、そういう知識についてあまり詳しくないふりをして先生の話を聞いていたんだ。

多分それがまずかった。
もっと自分がしてきたことについて積極的に話すべきだった。
事前に病院側に自分が伝えたいことを書いた資料を渡していたので、向こうでその内容を確認して察しながら話を進めてくれるだろうと過度に期待していた。
その資料の中で、私は発話と対人コミュニケーションが苦手だと書いた。だから相手はそれを理解してくれると思っていた。
しかし、やはり自分の口で言わなければ、本当に伝えたいことは伝わらないのだ。

自身の生い立ちやこれまでのことについてどう感じ、行動したか。母親の病歴は。そして自分がカウンセリングを受けようと思い立った本当の理由は。
これらをすべて話したうえで、病院での検査の必要はないと言われれば納得できたし、こんな感想文を書く必要もなかっただろう。
カウンセリングの後に遺伝学について調べることはほとんどなくなったけど、上記のことが心残りで、一日に数回そのことを思い出しては悔やんでいる。

落ち込んでいても仕方がないから、他に染色体検査を受けられる可能性を考えてみよう。
性同一性障害と診断されれば、その夢が叶うだろうか。
でも僕は男や女にはなりたくないし、誰にも性愛感情はない。
他人が自分のことをどう思おうが気にしていないが、露骨に既存の性に当てはめようとする人たちとは距離を置くようにしている。
だから自分のことは、一般的なトランスジェンダーや同性愛者とは異なる存在だと自覚している。
そもそも僕の住んでいる田舎には、そういうことを相談できる専門外来は一つもない。
生物学的な性を確認したいだけなのに、なぜアイデンティティを偽って精神病患者にならなければならないのか。
今の世の中は見えない病気を作り過ぎだよ。

他にどのような手段が残されているだろうか。
民間の遺伝子検査サービスで染色体検査をしてくれるところは、今のところはない。
なぜなら染色体検査は末梢血を採血して調べるので、結局は医療機関に頼る必要があるんだ。

IRUD(希少未診断疾患イニシアチブ)に申し込む選択肢もあるだろうか。
拠点病院を調べたところ、まさに先日お世話になった大学病院の名前があった。
ああ、この手段は今後しばらくは使えないだろう。

本当に辛い。
法的かつ書類に書かれた性については何とも思っていなくて、ただ生物学的な性を確認したいだけなのに、こんなにもハードルが高いなんて。
世の中が変わったほうがいいのか、自分が変わったほうがいいのか、あるいはその両方かそうでないのか。
逆に考えれば医療の専門家から健康のお墨付きを頂いたということで、これ以上検査をしなくても大丈夫ということを自分自身に言い聞かせながら納得していくしかないのだろう。結局は自身の心の問題なのだから。

せっかく芽生えた人を信じる気持ちや優しさを失いたくないから、これまで通り静かな場所で過ごしていこう。
今住んでいるこの場所であれば、世間のさざ波から遠ざかっていられる。
僕は早すぎた存在、現在の医学では解明できない特別な存在だ。世間が僕を理解するにはまだもう少し時間がかかるんだ。
けどこんな考えは歪んでいるから、いずれはどこかで軌道修正しなくてはならない。
ただ今はその妄想に浸らせて欲しい。
この想いを別の力に変えて、いずれ世界を変えてみせる。

予防医療の概念が浸透して、その中で染色体検査の重要性が認識されていけば、僕のような思いをしている人たちにとっても希望が持てる社会になるだろう。
具体的には、新生児マススクリーニングと一緒に染色体検査を受けられる制度や、染色体検査を一度も受けていない人は近くの病院で採血をすれば保険適用で同検査を受けられる制度の成立だ。子供の時に自身の染色体を解析しておけば、不妊・不育症の可能性をある程度把握することができるので、将来の家族計画について考える機会を早期に得られ、その人自身の人生にとってきっとプラスになるだろう。
それはいつの未来になるかな。僕が生きている間にそうなるといいな。


後日: 心が楽になってきた

blog/2025/07/2001.txt · 最終更新: by X?-R

Donate Powered by PHP Valid HTML5 Valid CSS Driven by DokuWiki