====== 墓石の森の夢 ====== どこか知らないところに僕の秘密の場所が存在していた。 子供の頃に幼馴染みと遊んだ林の空き地。その一画に木を組んで家のようなものを作り、幼馴染みと遊んだ記憶がある。 その夢ではその家のような中を通り抜けて、何十年も前、もしかすると百年ぐらい前の田園風景に辿り着いた。 木々に囲まれた小さな集落。しかし家々はなく、青々とした畑や田んぼが広がっている。 そんな場所にある細い道を、僕は俯瞰視点のまま一人で歩いて行った。 左右に高い木が沢山ある林もしくは森の中を進んで行くと、その奥にはとても大きくて長い墓石が幾つも置かれていた。 まるで墓石の中から墓石が生えているようなその光景を見ても、僕は恐怖や物珍しさすら感じなかった。 ただあそこは、生きている存在のための場所ではないと、目覚めた後にそう感じたのだった。