====== 僕が薔薇の育種を始めた理由 ====== 僕の母親は昔からバラが好きで、庭に幾つものバラを植えていた。僕もその影響でバラの世話をしたり写真を撮ったりしていたが、昨年まではそれほどバラに興味はなかった。 それがこの春に庭のリフォームをしたら、かなりの植栽スペースを確保できた。それでこの庭をどんな風にレイアウトしていこうかと考えた時に、バラのことが思い浮かんだ。丁度僕自身も気分が上がることをしたいと考えていたから、色々とタイミングが良い状況の中で自然とバラの育種をすることになった。 ではなぜ育種なのか、と思うだろう。それは時間がかかるから、店で苗を買ったほうが早いじゃないか、と。 確かにそうだ。でも僕には明確な目標がある。 この前届いたアプローズを見て、僕も青バラを生み出したいと思ったんだ。 バラの育種は絵画や音楽と同じアートの分野だ。世界でたった一つの遺伝子の組み合わせを創造するという芸術。僕であれば必ず成果を出せると直感したんだ。 すでに育種を進めるための論理構成は組んである。 バラの青色は単なる色合わせで出せるもんじゃない。現代の人工交配による品種改良でも、陰のある場所で青みがかった色に見せるのが精一杯だ。そこから一歩先へ行くには、青色の発現を増幅させる特性を加えてやる必要がある。それを科学的に行った結果誕生したのがサントリーのアプローズで、この品種は遺伝子組み換えバラとして有名だ。このバラの作出経緯を学んだ僕は、手持ちのバラでこれを再現できるのではないかと考えた。実際に遺伝子組み換えをやるわけにはいかないから、人工交配で青色素を花弁に蓄積させる能力を獲得させるんだ。 僕が目指すのは従来のバラの青よりもよりハッキリとした、花弁の主役になれる青色だ。 {{:blog:2026:06:2026060701.jpg?400|}} 可能性はどこにあるかな? 最初から育種の目的はハッキリしているから、思い描いたイメージを実行に移すだけだ。 おそらく長い時間がかかるだろう。振り返ればあっという間だろうか? いつか自作のバラを庭に植えて、それらに囲まれてみたいんだ。 不可能が可能になったら、それは素敵なことだよね。