旅行の夢を見るのは久々だ。しかも今回は2週間滞在とやや長めだ。
滞在先はおそらく東京のような大都市で、ホテルの敷地にはヤシの木が植えられていた。
家を留守にしている間は色々な不安があったが、ようやく明日、1日だけ自宅へ帰ることができる。つまり完全に帰るわけではなく、家の状態を確認したら再び旅行先へ戻り、そこでまた1日滞在した後に完全に家に帰るということだ。どうしてそんなスケジュールになったかはその時点では不明だったが、とにかく僕と家族は列車に乗って、幼少期の頃に住んでいた自宅へ一時的に戻った。
僕が昔住んでいた家は南側以外を深い木々に囲まれていて、西側の庭にはコンクリートで整備された小さな広場があった。この昔の家が夢に登場する時は、ほぼ必ずといっていいほどこの西側の庭のイメージが浮かんでくる。僕が皮膚炎を発症して外で遊べなくなる前の頃に、この西側の庭で沢山遊んでいたので、この空間が特に潜在意識に残っていたのだろう。
そして僕は家の中に入り、なんといつの間にか新たに増築された地下室へ向かった。
そこはまるでバイオハザードに出てくるアンブレラ社の地下研究所のようなところで、そこには多数の科学者や研究者がおり、エヴァンゲリオンに出てくるエヴァのような特殊なものを製造しているようだった。
次に浮かんだのは、翌日に自宅が火災で全焼したニュースだった。そのニュースでは自宅が上空から撮影されており、まるで航空写真のようなアングルだった。
なぜ家は燃えたのか疑問に感じつつニュースを見ていると、どうやら西側の庭に何かがあったらしいということが報道されていた。
ここまで見た時、僕は運命に抗うことに決めた。つまり今帰って来たばかりの家から出て、自身が火災に巻き込まれるのを回避しようとした。
ここまで整理した時、冒頭の変な旅行スケジュールの意味を理解した。
その後は、僕が昔通っていた専門学校の二か所の出入り口から砂漠の街のようなところへ行き、研究の続きを見るというような内容が再生されたが、その場面にはほとんど関心はなかったのですぐに忘れてしまった。
旧い自宅の地下で一体何が行われていたのか。
それは誰かが焼き払いたいほどに危険なことだったのだろうか。
疲れて切なくて恐ろしい夢だったが、夢であって良かった。
ただ少しだけでいいから、あの研究の結末を知りたかった。