女性向けのマッチングアプリにFTMが参加する理由

はじめに言っておくが、僕はヘテロ女性やFTMではないし一般的な女性の気持ちもよく分からない。つまり女性社会全般について無知な部分が多々あり、それでもこのテーマについては以前から気になっていたから、今回はそれについて考察してみた。
ジェンダーの話題で性差別や分断を煽る意図は全くないが、もし以下の内容の中で主観的・差別的な表現を感じられた際はどうぞお許しいただきたい。


一般公開されている女性同性愛者向けの掲示板などを見ると、たまに「なんでFTMがビアンのマチアプにいるの?」とか、「FTMはビアンのコミュニティに来るな!」などという書き込みを見かける。僕はそのような書き込みを最初に見た時、「なんて不寛容な発言だろう」と驚いた。しかしよく考えてみれば彼女たちがそう思うのは自然なことだ。

レズビアンの中には、一般的な男性の形状や性的な特性(性欲や衝動性の強さ、女性との筋力の差、女性と比較した場合の共感力の欠如、など)が苦手、あるいは嫌い、あるいは恐怖を感じるという方々が一定数いる。また、男性に対する様々な過去の経験やトラウマ(恋人に振られた、セクハラやレイプをされた、水商売で散々相手をした、機能不全家族、など)が原因となって同性愛者になる方もいる。

一方で、レズビアンでありながら、現実のアイドルやスポーツ選手などの有名人、そしてアニメやゲームなどのフィクションに登場する容姿端麗な男性たちを推しや恋愛対象としている方々がいる。極端な例では、性欲や男性器すらない人形のような男性を恋愛対象としているケースもある。
そのような非現実的なイメージを遠くから眺めたり応援することで、対象からの生々しい性欲を直接感じることなく、想像の中で幸せになれるらしい。このタイプの方の中には、男性と一度もまたはほとんどお付き合いをしたことがなく、単に男性のことをあまりよく知らない方もいる。FTMと親和性が高いのはこういうタイプの方なんじゃないかなと思っている。

同じように、ゲイの中にも一般的な女性の特性に対して一定の嫌悪感(群れたがり、情緒不安定、共感してやらないと面倒くさい、被害者意識の塊、所詮は女、など)を示す方々がいたり、単に女性と知り合う機会が少なくてゲイになる方もいる。ただし、ゲイの場合はレズビアンの一派のような極端な排他的思考まで陥るケースは少なくて、リアルな女性のことは眼中になく割とどうでもよいと考えている方が多い印象だ。それでも先天的あるいは後天的にホルモンバランスが不安定だったり、MTFでホルモン調整をしている場合は、テストステロンの不足によってより女性的で不寛容な思考(それでいて女性に対する競争心や優越感を備えた微妙な心理状態)になることがある。

ここまで書いておいて何だが、こんな難しいことを考えずに普通に交流しているLGの方々のほうが多いと思うから、上に書いたことは気にしないでほしい。


話を戻して、そういうレズビアンのコミュニティになぜFTMが参加するのかというと、以下の理由が考えられる。
ここに挙げるFTMは恋愛または友好対象に女性が含まれていると仮定し、以下のケースに当てはまるFTM本人への解決策も挙げておく。
単に女性と肉体関係を持ちたいからなどという生々しい事例については割愛する。

1. 戸籍が女性

本格的な性別移行をしていないFTMの場合、一般的なマッチングアプリの登録には心理的・肉体的・ルール的なハードルがある。そのため戸籍が女性のままであれば女性的な要素があるとみなされ、女性向けのコミュニティへの参加が許されると考えているケース。

解決策⇒自信を持って次の行動を起こす

2. 女性のほうが自分のことを理解してくれそうだから

本格的な性別移行をしている/していないにかかわらず、女性のほうが当たりが柔らかくて、自身の個性や背景を受け入れて仲良くなってくれると考えているケース。

解決策⇒理解ある彼女を見つける

3. 曖昧

FTMの要素があると自称しているが、実はノンバイナリーやクエスチョニングなどで性自認が定まっておらず、加えて女性コミュニティのルールの理解が不足していたり、基礎的なコミュニケーションに難が生じるケース。この場合、必ずしも恋愛感情は伴わず、友達感覚での関係性の構築を望んでいることがある。

解決策⇒自分を見つめ直し、本当にパートナーが必要か考えてみる


僕個人としては、LGBTの中ではトランスジェンダーの方々と最も波長が合いそうだと感じている。
そりゃトランスジェンダーにも色々な方がいるから単純な話ではないが、何となく彼ら/彼女らの生きてきた過程や、こういうシーンでどう思い感じたのか、ということに対して共感できる気がするんだ。そして周囲に自分本来の性を認識してもらえた時の嬉しさや、それで気持ちが楽になった時の喜びなども理解できる気がする。
だからもしこの先トランスジェンダーの方と知り合う機会があれば、彼ら/彼女らとは良い関係でありたいと思っている。