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blog:2026:05:0401

Xジェンダーの定義とモドキたち

Xジェンダーというのは男女のいずれにも属さない性自認を持つ人たちのことで、自らの性自認を『中性』『両性』『無性』『不定性』の4種類で表現している。
WikiではXジェンダーはトランスジェンダーの一つとしてまとめられているが、僕はトランスジェンダーというのは男女の二元性により比重を置いた概念だと認識しているので、Xジェンダーはトランスジェンダーには必ずしも含まなくて良いと考えている。

ノンバイナリーとXジェンダーは似ており、前者は性自認に加えて性表現(外見や立ち居振る舞いなど)や、ときにライフスタイルまで包括的に含むとされている。
個人的には自身の性自認が定義できてそれに自らが納得できれば十分で、それ以上のことは他者が客観的に見て自由に判断することだと考えている。だから僕は日本産の概念であるXジェンダーを自身のアイデンティティの一つと捉えているんだ。

僕はXジェンダーとしては『中性』であり『無性』だ。詳しく言えば、身体的にはインターセックス(DSD)であるため『中性』の性格的要素があり、より核心的な部分では『無性』、つまり男と女に完全に分化する前の精神状態に近いということだ。ただこの状態でも若干の二元的な偏りがあって、自身の脳はどちらかと言えば男性の構造に近いと自覚しているから、自分には女性的な要素が強い格好や振る舞いは相応しくないと感じている(ただし一時的に女性やオネエを演じる場合は除く)。

また、性的指向は自身と同じ属性の人を対象としている。つまり自身と同じかそれに近い種類のインターセックスで、自身と見た目や思想が似ていて、かつXジェンダーやノンバイナリーの人だ。僕にとっては男性も女性も異性であり自分とは別種族という認識だから、その点では僕は同性愛者と言えるだろう。このことを説明するのが面倒なため便宜上アセクシュアルとしている。
この辺の感覚については自身がDSDであることも影響しているかもしれない。

このような僕を見てXジェンダー全体がこうだとは思わないでほしい。
沢山の花が集まっているから花畑と言われるように、僕は全体を構成するほんの一部の花弁に過ぎない。
以下はそんないち個人としての見解だ。


Xジェンダーを自認している人の中には、当事者から見てそれはXジェンダーとは違うのではないかという人がたまにいる。

よくあるパターンとしては、時間や日によって性別が変わる、と主張しているケースだ。分類上は『不定性』に当てはまるが、社会で生きていくうえで二元的な役割を演じる必要があるためにあえてどちらかを選択しているケースと、何か事情があって頻繁に性自認が切り替わるケースとでは状況が全く異なる。後者の場合は二元的なトランスジェンダーや異性装者、もしくはXジェンダーについてよく分かっていなかったり、単なるファッションや下心や病的な要因による可能性もあるので、あまりにもコロコロ変わる場合は要注意だ。

また、二元的な性の社会において、どちらか一方の格好や役割を強制される環境に身を置いたことでそういうことに嫌気がさしたり、異性に強い幻滅や憎しみを抱いた結果Xジェンダーを自称している人もいるけど、これらも少し違う気がする。このような方々の本質的な性自認は女性または男性だから、フェミニストやマスキュリストと呼んだ方がしっくりくるだろう。彼女ら/彼らはそうした思想ありきで自身のセクシュアリティを定義する傾向にあるから、異性的な属性に人一倍の嫌悪感を持っていたり(その割にはほんのりと異性に憧れを抱いていたりもする)、いつの間にかXジェンダーではなくなっていることがある。

そして、30代、40代、あるいはそれ以降になってからXジェンダーを自認する人もいる。それまで生きてきた過程の中で自身のジェンダー・アイデンティティについての非典型的な自覚や疑問や葛藤などがあり、その認識に至ったのであればそういうことだろう。
ここで気を付けたいのが、その認識が更年期によって性ホルモンのバランスが変化したことによる心境の変化という可能性だ。人間年を取れば性ホルモンが低値になることで性格が丸くなって寛容性が増すのはよくあることで、むしろそういう方は「人として成熟した」と表現するのが相応しい。

このような方々がXジェンダー枠に入ってくることで本来の当事者が抱く感情というのは、異性とのセックス・妊娠・出産・子育てを経験した女性や、MtFがレズビアン界で敬遠されがちな構図から生まれるものと似ているかもしれない。しかし、我々の中にはそういう二元的な付き合いよりもよりドライな感覚で対象を見ていて、相手のことはあまり気にしないと考えている人もいる。


Xジェンダーとして自身を定義するには、まずは最低でも思春期と言われる年代を経験した後もなお、一般的な男性や女性とは異なる部分を自身のどこかに感じているかが目安となる。それはその時々の気分や環境の変化で揺らぐことがない、己の核を構成している根源的な何かだ。これはトランスジェンダーの感覚に似ているが、彼ら/彼女らよりも二元的な自認へのこだわりが薄かったり無かったりするのがXジェンダーの特徴だ。

LGBTの概念が広く認知された昨今も、Xジェンダーは他のセクシュアリティと比べるとその本質が掴みにくく、より異質な印象を持たれることが多い。また、Xジェンダーは日本独自の概念であるがためにしばしばノンバイナリーと混同されがちで、近寄り難い人々の集積場所のような印象を持たれることもある。

言わせておけばいい。
そういうノイズは風に流して、我々は自分たちにしかできないことをやればいい。
そしてその形を静かに示しながら、二元性の外側で美しく咲き続けるんだ。

blog/2026/05/0401.txt · 最終更新: by X?-R

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