Mesoandrogenism(メソアンドロゲン症)について
Redditのインターセックスコミュニティに、「自分はインターセックスかもしれないと思っているけど、もう確かなことは分からない」(日本語訳)という投稿があったので読み進めたら、それの返信文にMesoandrogenism(メソアンドロゲン症)という単語が出てきた。初めて見る単語だ。
それでメソアンドロゲン症を調べたら、医学的もしくは生物学的に男性ホルモン(アンドロゲン)の作用が強すぎず弱すぎず「中程度」である状態を指す言葉らしい。これは医学用語ではなくて、海外のインターセックスコミュニティ界隈で使われている造語だ。Mesoは中間を意味し、Androgenは男性ホルモンの総称であるアンドロゲンを意味する。なかなか気の利いた言葉だ。
性自認が中間または無しの場合に、戸籍が女性で高アンドロゲン血症と言われたり、戸籍が男性で高エストロゲン血症と言われるのには抵抗があるという方向けにぴったりの言葉だと思った。
僕もこれまでに唾液テストステロンや毛髪テストステロンの値を何度か検査してもらい、自身のテストステロンが成人男性と成人女性の中間であると確認できた。このブログの過去の投稿でもその検証データを載せていて根拠には自信があるから、僕も実質的にはメソアンドロゲンということになる。
冒頭で紹介した投稿にも書かれている通り、現代医学では性分化疾患の方々を指す総称としての診断名があるわけではないから、必ずしも病院で性分化疾患をきちんと診断してもらえるとは限らない。高アンドロゲン血症や高エストロゲン血症、卵精巣性性分化疾患、XX男性、XY女性、クラインフェルター症候群、ターナー症候群、などなど、診断名としてはこのような名称が使われている。「あなたは半陰陽ですね」なんてダイレクトに断言する医師は今では非常に珍しいし、診断ガイドラインにないケースであれば診察すらされずに見過ごされることも少なくない。
まさに僕も見過ごされた者の一人だ。出生時にインターセックスとしての明らかな特徴が出ていたにもかかわらず、時代的に検査体制がそういうものに対応していなかったから、最初のチェックをスルーされた。
そして幼少期、学童期と進むにつれて、僕の心身に周りとは明らかに異なる特性が表れ出した。それは自身の中に、優しさや荒々しさやおおらかさや鋭さなどの複数の人格が共存しているような感覚だった。趣味や思考は男性寄りだったが、他者に対する恋愛感情は全く感じなかった。
今思えば、男性ホルモンと女性ホルモンが思春期特有の、しかし完全な男性や女性には及ばない中濃度の領域で拮抗していたため、そのような特異な状態になったのだと推測できる。その独特な感覚をコントロールできるようになったのは30代以降になってからだ。
そのような人生を体験している者として、人が人間社会で生きていくうえで大切なことは、自身の体の状態に忠実であることだと思っている。本当の性自認とは、遺伝的にベースとなっている染色体やホルモンバランスによって形成されると僕は考えている。成長や環境や教育の過程で多少変わることはあるが、いずれにせよ生まれ持った根源的なものは一生変わらないんだ。
だから僕は子供の頃から自身をニュートラルな存在だと自覚していたし、その考えは大人になった今も変わらない。
これはアイデンティティとかいう大層なものではなくて、自分にとってはこれが自然な状態なんだ。ジェンダーっていうのはその後ろにくっついてくるものなんだよ。
