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blog:2026:09:0401

奇跡の一粒を収穫!

今年の5月からバラの交配を開始して、今月で四か月目だ。これまで交配させた31組のうち、生き残りはわずか5組。そのうち1組は想定外に自然受粉して膨らんだ実だから、今は実質4組を管理しているということになる。
途中でドロップアウトしてしまった組からは様々なことを学ばせてもらい、その成果は全てメモに記録してある。こういうデータの積み重ねが次のシーズンに必ず役立つと思っているから、記録だけはしっかりつけているんだ。

それで最近ドロップアウトした組の中に、ひとつ興味深いものがあった。
それはパパメイアンと房咲き性のつるブルームーンの組だ。パパメイアンは黒バラで、ブルームーンは薄い藤色系。このペアは両方とも剣弁高芯咲きで非常に良い香りを放つが、病気に弱く、環境によっては管理が非常に難しいことがある。だけどパパメイアンのほうは樹勢が強くて、たとえ病気になっても勢いで伸びて花を咲かせてくれるから、そこが大きな強みだ。

その強みを受け継いだ濃い紫色のバラが生まれてくれればいいなぁという思いで交配してみたわけだが、なにぶん交配時期が真夏だったため、成功率はかなり低いと予想していた。にもかかわらず、交配から二週目には実の肥大を確認し、27日後にはなんとシベのある上の部分からポコッと何かが飛び出していた!


この飛び出たものは痩果(そうか)という、中に1つの種子を包み込んでいる果実のことだ。
外側が硬質化する前であるため、まだ明るい色をしている。

どうやら母体の勢いが良いとこうなることがあるらしく、僕はこれを良い兆候と捉えていた。
それで成長を見守っていたんだけど、最近の長雨でとうとう実がいたんできた。なるべく自然に近い環境で経過を見守るというのが今回のルールだから、雨に弱いパパメイアンの実が淘汰されるのは仕方ない。雨に強い品種を母体にした別の組はまだ元気そうだから、やはりこういうところにもバラ独自の特性が影響しているのだろう。

そして交配から50日目。


花托上部と花首に褐変が広がり、全体的に萎んできたため終了。
写真のように、シベのまとまりのところがホワホワっと残っている場合は、そこに水分が溜まって雑菌が繁殖したりして失敗しやすくなるのかもしれない。


中を切り開いて見たら、種は全く育っていなかった。
ということは、終わるべくして終わったということか。
が、上から飛び出ていた痩果が丁度良い大きさに育っていた!

この種に軽く触れたところ、歯が抜ける前のようなグラグラとした不安定感があった。しかし母体とは下のほうにある管で繋がっているらしく、そこから養分を供給されてここまで育ったことが分かった。
ほんの数日前はまだ明るい色だったが、ここ最近で一気に茶色く色づいた感じだ。外気に晒されていると成熟が早まり、このように二か月に近い段階で発芽可能な段階まで育つことがあるらしい。
また、この頃は休眠機構が未発達の場合があり、それが発芽率の上昇や休眠打破に必要な期間の短縮に繋がることがあるという。AI調べによると、大体45~60日が経過していれば、その可能性が出てくるそうだ。
つまりこの種は育てる価値がある!


丁度良い色、形、大きさ、硬さ。
色が濃いめなのは、母体のアントシアニン量が多いことも関係しているのかもしれない。

早速種を水で洗い、水を張った容器に数時間浸けた。その後水を含ませて固く絞った化粧用コットンに種を包み、さらにそれをアルコール消毒した小袋に密封し、冷蔵庫に入れた。



この子の名前は「2026Ma01」だ。Maは組ID。
カビ防止のため、コットンは数日ごとに交換し、その都度小袋を消毒する。

この種にはこれから二か月程度、冷蔵庫の中にいてもらう。途中で運良く発芽したら、そこからはポット生活だ。
上手くいかなくてもいい。ただ、この新しい発見と新たな命の可能性を見届けたい。

blog/2026/09/0401.txt · 最終更新: by X?-R

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